ウィザーズは、2023年6月8日に球団社長およびゼネラルマネージャーを変更して新体制になったわけですが、ましたが、このオフシーズンの話題の中心はウィザーズと言っていいほどのインパクトを残しています。
今回はそんなウィザーズの前任のチーム運営の責任者である、トミー・シェパード氏の2019年~2023年4月までの主な補強を振り返っていこうと思います。
ウィザーズの2019年7月~2023年4月までの主な補強についての概要
トミー・シェパード氏が球団社長兼GMを勤めた期間は2019年7月~2023年4月まで。
ブラッドリー・ビール時代の誕生からビール・ポルジンギス・クーズマの新BIGスリー体制までの補強情報をまとめました。
というわけで2019年7月~2023年4月までの主なドラフト、シーズン中の補強を順を追って確認していきましょう。
2019/20シーズン:ブラッドリー・ビール時代誕生
ドラフト指名
- 八村塁:2019年1巡目9位で指名
- アドミラル・スコフィールド:2019年2巡目42位で指名 ※シクサーズの指名権
シーズン中のトレード・FA獲得選手
- ラッセル・ウェストブルック:ジョン・ウォールとのトレードでロケッツから獲得
- ロビン・ロペス:FA1年 契約金不明(前バックス)
- アンソニー・ギル:FA2年 契約金不明
- ダービス・ベルターンス:5年8,000万ドルで契約延長
- ダニエル・ギャフォード:ブルズ・セルティックス・ウィザーズの3チーム間トレードで獲得
- チャンドラー・ハッチソン:ブルズ・セルティックス・ウィザーズの3チーム間トレードで獲得
OUT
- ジョン・ウォール:ロケッツにトレード
- ヴィート・クレイチー:2020年37位でウィザーズが指名→その後サンダーにトレード
- 2023年1巡目指名権:後に8位指名権になり、ビラル・クリバリ(SF)とトレード※2023年1巡目7位指名権
- トロイ・ブラウン・Jr:ブルズ・セルティックス・ウィザーズの3チーム間トレードで移籍
- モリッツ・ヴァグナー:ブルズ・セルティックス・ウィザーズの3チーム間トレードで移籍
まとめ
八村選手がドラフトされた記念すべき年ですが、ウィザーズ目線で大きな出来事は何といってもジョン・ウォールをトレードしたことです。代わりにウェストブルックを獲得したわけですが、個人的にはウェストブルックとビールのデュオは好きだったのでもっと見たかったですね。
最終成績もプレーオフに進みましたし、1回戦で敗れたとはいえ上々なシーズンだったと思っています。
2020/21シーズン:ウェストブルックと別れ、ビール+好選手の獲得
ドラフト指名
- デニ・アヴディア:2020年1巡目9位で指名
- カシアス・ウィンストン:2020年53位でサンダーが指名→トレードで獲得
シーズン中のトレード・FA獲得選手
- スペンサー・ディンウィディー(前ネッツ):5チーム間トレードで獲得 3年6,200万ドル
- アーロン・ホリデー(前ペイサーズ):5チーム間トレードで獲得
- ラウル・ネト:再契約 契約内容不明
- カイル・クーズマ(前レイカーズ):5チーム間トレードで獲得
- モントレズ・ハレル(前レイカーズ):5チーム間トレードで獲得
- ケンテイビアス・コルドウェル ポープ(前レイカーズ):5チーム間トレードで獲得
- 2021年1巡目22位指名権(アイザイア・ジャクソン):5チーム間トレードで獲得
- クリスタプス・ポルジンギス:ディンウィディー、ベルターンスとのトレードでマーベリックスから獲得
OUT
- ラッセル・ウェストブルック:5チーム間トレードでレイカーズに移籍
- チャンドラー・ハッチソン:5チーム間トレードでスパーズに放出
- 2022年2巡目指名権:5チーム間トレードでスパーズに放出
- スペンサー・ディンウィディー:ポルジンギスとのトレードでマーベリックスに移籍
- ダービス・ベルターンス:ディンウィディーとトレードでマーベリックスに移籍
まとめ
シーズン前にレイカーズとのトレードでディンウィディー、クーズマ、ハレル、KCPなどを獲得し、何だか上手くいきそうなシーズンでしたが、ビールのケガなどでプレーオフ進出を逃しました。
そしてトレードデッドラインではポルジンギスを獲得するなどの補強を行なっています。
2021/22シーズン:ビール・ポルジンギス・クーズマのBIGスリー誕生
ドラフト指名
- コーリー・キスパード(SG/SF):2021年1巡目15位
- アイザイア・トッド(PF):2021年2巡目31位
シーズン中のトレード・FA獲得選手
- ブラッドリー・ビール:5年2憶5,100万ドルで契約延長
- アンソニーギル:2年契約金不明で延長
- デロン・ライト(ホークス):2年1,600万ドルで契約
- モンテ・モリス(ナゲッツ):ケンタビオス・コールドウェル・ポープ、イシュ・スミスとのトレードで獲得
- ウィル・バートン(ナゲッツ):ケンタビオス・コールドウェル・ポープ、イシュ・スミスとのトレードで獲得
- タージ・ギブソン(ニックス):FAで1年契約
- ケンドリック・ナンと将来の2巡目指名権3本(2023年、2028年、2029年)
OUT
- 八村塁:ケンドリック・ナンと将来の2巡目指名権3本とトレードでレイカーズに移籍
まとめ
ビール・ポルジンギス・クーズマを中心とし、八村をシックスマンとしてシーズン序盤は機能していましたが、またしてもプレーオフには進めませんでした。
この2023年4月をもってトミー・シェパードGMが解雇されたわけですが、不良債権化していたジョン・ウォールを放出してウェストブルックを獲得したり、ビールを中心として何とかチームを強くしようとした意図は見えたので上手くいかなかったのは残念でした。
個人的に気になったのはビールとベルターンスの契約延長です。特にビールの契約にはトレード拒否権が含まれていたので、これによってトレード先が絞られてしまい、チーム運営がかなり窮屈になりました。
最後に新体制になったウィザーズの補強を確認してみましょう。新体制はマイケル・ウィンガー球団社長とウィル・ドーキンズGMが指揮します。
新体制のウィザーズが2023年オフシーズンに行なったトレード
- ブラッドリー・ビールをクリス・ポールとトレード(サンズ)
- ポルジンギスを3チーム間トレードでタイアス・ジョーンズとトレード(グリズリーズ)
- クリス・ポールをジョーダン・プールとトレード(ウォリアーズ)
大きく分けてこの3つになると思います。①のトレードの対価でまずクリス・ポールを獲得し、そのクリス・ポールを③のジョーダン・プールに獲得に繋げています。
②のポルジンギスのトレードではグリズリーズからタイアス・ジョーンズを獲得してポイントガードを補強しています。
チームのサラリーを圧迫していたビールとポルジンギスをトレードして、クーズマを残すという選択をしたウィザーズ。これからのチームの軸をプールとクーズマを中心としたものにしようという意図が見えます。
ポジション別でみると、タイアス・ジョーンズ(PG)、ジョーダン・プール(SG)、ビラル・クリバリ(SF)※ルーキー、カイル・クーズマ(PF)、ダニエル・ギャホード(C)らに他のサポートメンバーが加わるという形になると思います。
というわけで2019年~2023年4月までチームの運営を行なった前GMトミー・シェパード氏の補強を追ってみました。長らくチームの顔だったジョン・ウォールをトレードしてビール中心のチームを作ろうとしたことや他にも大幅な改編を行なったことは結果こそ上手くいきませんでしたが、それほど悪手を打ったようには思えません。
ブラッドリー・ビールのウィザーズがこれからジョーダン・プールのウィザーズになっていくのか。注目していきたいと思います。
今回のブログの内容と関連するブログのリンクを貼っておきますので、興味のある方はご覧ください。最後まで読んで下さってありがとうございました。