今回はシーズン序盤を9勝6敗の好成績を続けているクリーブランド・キャバリアーズのリッキー・ルビオについて、その好調な要因が何かを調べていこうと思います。
その前にルビオがキャブスにやってきたトレードの内容を確認してみましょう。
ルビオ獲得のトレード
ルビオはシーズン前にウルブズとのトレードでキャブスにやってきました。
トレード内容はトーリアン・プリンスと2022年2巡目指名権と金銭との交換です。
今シーズンのルビオのサラリーは1,780万ドル(今シーズン限りの1年契約)です。これはキャブスではケビン・ラブ、ジャレット・アレンに次いで3番目の高年俸ということになります。
リッキー・ルビオのスタッツ ※2021年11月17日
ルビオの過去2シーズンと比較すると、今シーズンは2シーズン前のサンズ時代と同じようなスタッツを残しています。
まだ15試合しか経過していませんが、平均得点は昨シーズンから6.1得点も上がっています。
今シーズンは主にベンチからの出場が多いのですが、チーム内の役割分担が明確化されていることが好調を支える要因でしょう。
ビッカースタッフHCのセルティックス戦のインタビューコメントを共有します。
「私はリッキーにスペイン代表チームのリッキーになって欲しいと伝えました。」
「(シーズン前に)私は彼にアグレッシブなオフェンスをするように求めましたが、彼は本質的にはそういった選手ではない。しかし、彼にそれを求め続けたことがいま、結果として出ている。それは私たちにとってポジティブなものでした。」
というようなニュアンスのコメントを残しています。
確かにオリンピックで観たルビオと昨シーズンのウルブズのルビオは別人のようで、スペイン代表のルビオの方が活き活きとプレーしていた印象があります。
では具体的に何が好調な要因なのか。とりわけ苦手としていたシュート成功率が上がっている点について調べていこうと思います。
2020/21シーズンと2021/22シーズンのシュート成功率の比較
ちょっと見づらいかもしれませんが、上が去年、下が今年のシュート成功率のスタッツです。見比べてみると、今シーズンの方がシュート成功率が高くなっていることが分かります。
面白いのはスリーポイント成功率です。ほとんどの選手がキャッチ&シュートの方が成功率が高いのに、ルビオはプルアップの方が高いという特徴があります。
ちなみにステフィン・カリーの今シーズンのスリーポイントのキャッチ&シュートの成功率が44.4%、プルアップが38.5%ということを考えると、プルアップの方が成功率が高いルビオは特徴的です。
続いて昨シーズンに所属していたウルブズのチームスタッツと今シーズンのキャブスのチームスタッツを比較してみます。
ウルブズ、キャブスチームスタッツ比較
NBA.comからデータを引っ張ってきました。
昨シーズンのウルブズと今シーズンのキャブスのオフェンスレーティング/ディフェンスレーティング/ネットレーティング/ペースの比較です。
この中で注目したいのはペースです。
1試合あたりのポゼッション数を表わす『PACE』の指標の比較では、昨シーズンのウルブズが101.96(リーグ5位)に対して、今シーズンのキャブスは97.53(リーグ25位)とゆったりとしたゲーム展開になっています。
今のキャブスにはこのPACEがゆっくりの方が合っているようです。その要因はジャレット・アレンとエバン・モブリーのビッグマン2人をスターターで起用している点にあるのではないかと思っています。
この2人がいることで今シーズンのキャブスのリム周りの得点がアップしており、成功率も64.2%でリーグ9位です。
特にジャレット・アレンの今シーズンの活躍は顕著に出ていて、シュート分布を見るとほぼゴール下でしかシュートを放っていません。
もともとそういう選手かと思いますが、ルビオにとってはアシストしやすい選手ですし、リバウンドもリーグ12位、オフェンスリバウンドの3.1本はリーグ11位と好調を維持しています。
またジャレット・アレンはルビオからのアシストで26本のフィールドゴールを決めていて、これは他のチームメイトの中でトップです。(2位はガーランドからの15本)
※ちなみにモブリーはルビオから20本、ガーランドから27本でした。NBA.com調べ(2021年11月17日)
まとめ
ここまでリッキー・ルビオの今シーズンの好調の要因を検証してきました。
その要因は、
- ビッカースタッフHCがルビオにアグレッシブに攻めるように指示したこと。
- キャブスのゆっくりのPACEが今のルビオに合っていること。
- ジャレット・アレンやエバン・モブリーとルビオの相性が良いこと。
これらが今シーズンのルビオが好調の要因と考えます。
リッキー・ルビオはオフシーズンに何度もトレードされて本当に気の毒でした。スペイン代表のときのように活き活きとしたルビオを観たいので、できればこのままキャブスに残って契約を延長してほしいです。
今回はこのあたりで終わりにしようと思います。数字ばかりで読みにくかったかもしれませんが、トレードの噂を追っかけるのも限度があると思いまして、今回はこういった内容にしてみました。
また関連するブログのリンクを貼っておきますので興味のある方はご覧ください。
https://theadmiral50.net/nba/2021-22-9-14-cavaliers
https://theadmiral50.net/nba/2021-10-16-kyrie-irving-dangelo-russell
https://theadmiral50.net/nba/2021-09-03-timberwolves