ビリー・ドノバンHCのサンダーの5シーズンを振り返る

2020年9月8日(日本時間9日)にオクラホマシティー・サンダーがビリー・ドノバンヘッドコーチと契約延長しないというちょっとびっくりするニュースが入ってきました。

ビリー・ドノバンは2015年の4月にサンダーのヘッドコーチに就任し、5シーズンでレギュラーシーズン243勝157敗、勝率(.608)、プレーオフでは18勝23敗という成績を残しています。

就任してから5年間すべてでチームをプレーオフに導いた手腕はリーグでも評価が高く、今後の彼の動向に注目が集まっています。

そこで今回はビリー・ドノバンのサンダーでの5年間の実績と、サム・プレスティーGMが作ったロスターの変化を振り返ってみようと思います。

ドノバンHCの5シーズンのロスターの変遷(2015年4月~2020年9月)

2015年開幕時のロスター 55勝27敗 カンファレンスファイナル敗退

  • PG ラッセル・ウェストブルック、DJ・オーガスティン、キャメロン・ペイン、ジュリアン・ストーン
  • SG アンドレ・ロバーソン、ディオン・ウェイターズ、アンソニー・モロー、マイケル・クォールズ
  • SF ケビン・デュラント、カイル・シングラー、ジョシュ・ヒュースティス、デズ・ウェルズ
  • PF サージ・イバカ、ニック・コリソン、ミッチ・マクゲイリー、スティーブ・ノーバック、タリブ・ザリナ
  • C エネス・キャンタースティーブン・アダムズ

ヘッドコーチ就任1年目のドノバンはKDとウェストブルックのデュオを擁してカンファレンスファイナルまで進出させました。アダムズが徐々に頭角を現し始めたシーズンでもありました。

2016年開幕時のロスター 47勝35敗 ファーストラウンド敗退

  • PG ラッセル・ウェストブルック、キャメロン・ペイン、ロニー・プライス、セマジ・クリストン
  • SG ビクター・オラディポ、アンドレ・ロバーソン、アンソニー・モロー、アレックス・カルーソ
  • SF カイル・シングラー、ジョシュ・ヒュースティス、アレックス・アブリネス、クリス・ライト
  • PF エルサン・イリヤソバ、ニック・コリソン、ミッチ・マクゲイリー、ドマンタス・サボニス
  • C スティーブン・アダムズ、エネス・キャンター、ジョフリー・ラバーン、カレブ・ターチェウスキー

FAでデュラントがチームを去り、イバカもトレードで放出しています。代わりに加入したオラディポとウェストブルックのバックコートデュオは強力ですが、戦力的には昨シーズンよりもダウンしています。ウェストブルックはシーズントリプルダブルを達成して、得点王とMVPを受賞しました。

2017年開幕時のロスター 48勝34敗 ファーストラウンド敗退

  • PG ラッセル・ウェストブルック、レイモンド・フェルトン、セマージ・クリストン、アイザイア・カナーン、プライス・アルフォード
  • SG アンドレ・ロバーソン、アレックス・アブリネス、テレンス・ファーガソン、マーケル・ブラウン
  • SF ポール・ジョージジェレミー・グラント、カイル・シングラー、ラショーン・トーマス
  • PF カーメロ・アンソニー、パトリック・パターソン、ジョシュ・ヒュースティス、ニック・コリソン
  • C スティーブン・アダムズ、ダカリ・ジョンソン

トレードでオラディポとサボニスを放出し、代わりにポール・ジョージが加入します。またニックスとのトレードでカーメロ・アンソニーも加入するもプレーオフファーストラウンドで敗退。ウェストブルックは2回目のシーズントリプルダブル達成とアシスト王を獲得。5年2億500万ドルの契約延長を結びました。

2018年開幕時のロスター 49勝31敗 ファーストラウンド敗退

  • PG ラッセル・ウェストブルックデニス・シュルーダー、レイモンド・フェルトン、アブデゥル・ガディ
  • SG アンドレ・ロバーソン、ルワウ・キャバロ、テレンス・ファーガソン、ハミデゥ・ディアロ、ブライス・アルフォード
  • SF ポール・ジョージ、アレックス・アブリネス、アブデゥル・ネイダー、K・J・マクダニエルズ、デオンテ・バートン
  • PF ジェレミー・グラント、パトリック・パターソン、リチャード・ソロモン
  • C スティーブン・アダムズ、ナーレンズ・ノエル、タイラー・デイビス

FAでポール・ジョージと再契約、カーメロ・アンソニーを放出しました。ノエルとシュルーダーを獲得してロスターを強化するもプレーオフではまたもファーストラウンドで敗退。ウェストブルックは3年連続でシーズントリプルダブルを達成します。

2019年開幕時のロスター 44勝28敗 ファーストラウンド敗退

  • PG クリス・ポールデニス・シュルーダー、アブデゥル・ギャディ
  • SG シャイ・ギルジャス・アレキサンダー、テレンス・ファーガソン、ハミデゥ・ディアロ、アクーン・パーセル、デホン・ホール、ルージェンツ・ドルト
  • SF ダニーロ・ガリナリ、アンドレ・ロバーソン、アブデゥル・ネイダー、デオンテ・バートン、マイク・ヘンリー
  • PF マイク・マスカーラ、ダリウス・ベイズリー、エリック・モアランド
  • C スティーブン・アダムズ、ナーレンズ・ノエル、ジャスティン・パットン

ついにウェストブルックを放出して代わりにトレードでロケッツからクリス・ポールが加入。さらにポール・ジョージもクリッパーズにトレードしたため、シーズン前はサンダーがプレーオフを逃すものと予想する人が多かったです。

レギュラーシーズンではポール、S・G・A、シュルーダーのスリーガードが機能して、クラッチタイムではリーグ最高勝率66.7%を記録しています。

ビリー・ドノバンはどこに行くか?サンダーの今後のチーム運営については?

これまでドノバンHCの5年間を開幕当初のロスターとともに振り返ってみましたが、就任1年目のデュラントが在籍した年を除いて、すべてファーストラウンドで敗退しています。

今回ドノバンHCと契約延長しないというニュースはなかなかショッキングでしたが、5年間の契約満了ということで、心配していたチームとドノバン氏の関係は悪くない様子です。

こうして振り返ってみると、デュラントが抜けてもウェストブルック中心にチームを作ってプレーオフに進出させ続けて、さらにウェストブルックとポール・ジョージが抜けた今シーズンも、クリス・ポールを中心にウェスタンカンファレンス5位にチームを導くなど、ドノバンHCの手腕は冴えわたりました。

ビリー・ドノバンはヘッドコーチとしてどこに行くか?

まだ噂レベルですが、ヘッドコーチ候補として名前が挙がっているのは、ブルズ、ペリカンズ、シクサーズ、ペイサーズです。個人的な意見としてはシクサーズ以外は補強含め、実力のある若手選手が多いことからビリー・ドノバンが指揮したら強くなりそうな気がします。

ただ、これも噂レベルの話ですが、シクサーズがクリス・ポールをトレードで獲得するという話も出ています。その場合はクリス・ポールと1シーズン過ごしたことはドノバンHCにとってアドバンテージになるはずです。

今後のサンダーの補強について

2020年のドラフトでは25位と53位の指名権を持っていますが、サンダーはプレーオフで大ブレイクしたドルトをドラフト外で発掘した実績があります。

また忘れてはいけないのがサンダーはドラフト1巡目指名権を大量に保持していることです。

内訳は・・・

  • ポール・ジョージのトレードで5本(ヒートの2021年、2023年の1巡目指名権、クリッパーズの2022年と2024年と2026年の1巡目指名権)
  • ウェストブルックのトレードで2本(ロケッツの2024年と2026年の1巡目指名権と2021年と2025年の1巡目指名権の交換権)
  • ジェレミー・グラントのトレードで1本(ナゲッツの2020年の1巡目指名権25位)

こうして文字で書き起こしても正直よくわからないくらいですが、2020年から2026年までで1巡目指名権を15本持っています。これに加えてクリス・ポールを欲しいチームに対してもトレードで有利な立場に立てることからもサンダーの再建には明るい未来が想像できます。

まとめ

これまでビリー・ドノバンのサンダーの5年間をロスターの変遷とともに振り返ってみました。ヘッドコーチとしての実績は申し分ないドノバンHCはオフシーズンの人気銘柄のトップに躍り出ました。

サンダーはトレードで獲得したドラフト1巡目指名権を使って、スター選手の獲得に乗り出すこともできますし、クリス・ポールを維持するも良し、そのクリス・ポールでトレードするも良しという、補強するために必要な条件を保有しています。

これだけ明るい条件が揃っているチームも珍しいです。これからもドノバンHCとサンダーの動向に注目していきたいと思います。

今回参考にしたサイトのリンクを貼っておきます。

https://nba.rakuten.co.jp/news/5117

https://bleacherreport.com/articles/2908264-billy-donovan-reportedly-wont-return-as-thunder-coach-next-season

ここ数年で買ってよかったもの(2021年2月8日更新)

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